目的
Salesforceの機能の一つにキューがあります。
ユーザをキューメンバーとして追加することでグループ化し、組織内のリードやToDo等の共有、メール送信を行いやすくすることが出来ます。
また、承認プロセスもキューを有効に使用できる機能の一つです。
しかし、キューがサポートされていない商談、取引先などの承認プロセスでは、承認者にキューを指定することが出来ず、複数承認者を指名したい場合、ユーザを直接設定する必要があり、メンテナンスが大変になる可能性があります。
フローを使用し、承認プロセスを呼び出すことによって本来ではキューが使用できないオブジェクトでも、承認者にキューを割り当てることが出来ます。本記事ではその方法について紹介します。
今回は以下の流れで、画面フローを用いて、商談ページから承認プロセスを呼び出すボタンを実装したいと思います。
1.キューの作成
2.承認プロセスの作成
3.画面フローの設定
4.ボタンの配置
5.確認
実装
1.キューの作成
1.[設定]→[キュー]から、[新規]ボタンをクリックします。
2.各項目に入力します。サポートされるオブジェクトには任意のオブジェクトを選
択してください。ユーザには任意のユーザを追加して、保存します。
2.承認プロセスの作成
1.[設定]→[承認プロセス]から、商談の新規承認プロセスを作成します。この際、割り当てられた承認者が、「手動で選択」になっていることを確認してください。
3.フローの作成
[設定]→[フロー]から新規フローをクリックし、画面フローを選択します。
- 変数「recordId」を作成します。
- ⊕のレコードを取得から、先ほど作成したキューを取得します。 オブジェクトはグループを選択し絞り込み条件に
・developer Name 次の文字に一致する キューのAPI名
・Type 次の文字に一致する Queue
を指定します。 - 取得したキューのIDを格納するためのテキストコレクション変数を作成します。
- 作成したコレクション変数にキューIDを追加します。
-
⊕の新規アクションから承認プロセスを選択し、各項目に値を割り当てます。
・カスタムオブジェクトID : recordID
・次の承認者 : 3で作成したコレクション変数
・承認プロセス名 : 作成した承認プロセス名
- 全体像は以下の通りです。フローを保存して有効化します。
4.ボタンの配置
- [設定]→オブジェクトマネージャーから商談を選択します。
- 「ボタン、リンク、およびアクション」から新規アクションを作成します。
- 商談のページレイアウトに作成したアクションを追加します。
5.確認
以上で設定は完了したので、ボタンを押し確認してみます。
キューが承認者として割り当てされているか、キューに属しているメンバーが承認を許可できるかを、最初に追加した「営業テスト」で代理ログインして見てみます。
このように問題なくキューメンバーで承認却下が出てくることが確認できました。
最後に
今回は、キューがサポートされていないオブジェクトの承認プロセスでキューを使用する方法をご紹介しました。
なお注意点として、アラームなどは通知されないので、別途メールやカスタム通知などの追加を検討して下さい。
また、複数ステップがある承認プロセスの2段階目以降にキューを割り当てする場合は承認プロセスを分割する必要があります。
複数人承認者を設定出来るのはもちろん、承認者を実行者によって動的に選べたりするようにもなるのでぜひ使っていただければと思います。